2013年7月1日月曜日

【書評034】「羽生善治論 天才とは何か」加藤一二三

「羽生善治論 天才とは何か」加藤一二三
URL:http://goo.gl/C7fUU

概要:

加藤一二三、好きです。棒銀使い。解説も面白いし。(故)米長会長とのやりとりが好きでした。途中何言ってるのか分からないときもあるけど。そんな将棋を知ってる人には誰からも愛されている加藤一二三があの羽生善治を語る本。

感想:

この本は、筆者が羽生善治を通して、自分も天才だと伝える為のモノだと分かった。筆者は羽生を早指しも長考もでき、正当にして王道の手を打ち、弱点があるとするならば、「羽生だけには負けたくない」と言う対戦棋士の強い気持ちだと説く。所々で筆者自身も「神武以来の天才」と呼ばれていたことを主張するところが微笑ましいです。

そして天才の条件として、「早指し」に強いことをあげる。
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勉強をしている、していないにかかわらず、早く指すことができて、しかも着手が正確で、なおかつ勝つこと。

これは、間違い無く天才の共有点である。絶対だ。天才は盤を見た瞬間に、パッと手がひらめくのである。もっとも協力な一手、最強の一手が、局面を見た瞬間に浮かんでくるものなのだ。こうした能力は努力したからと言って身に付くものではない。もって生まれた、並外れた素質としかいいようがない。

若くして長考型に天才はいない。
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この直感と言うか、与えられた状況下(ここで言うと、盤面と時間)に対してベストの一手を考えることができる人間が天才だと言う。正解か否かは別として勝負を進めるにはその場でのベストを選択することが必須だ。

ただ、天才で無くても、ある状況下においてベストの選択をすると言うのは当たり前のことだと思う。特にビジネスにおいてはその選択決断が早ければ早い程いい。

DeNA南場さんも「不格好経営」で下記の通り記載していた。
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「一番大事な仕事は意思決定」

この意思決定については、緊急でない事案も含め、「継続討議」にしないということが極めて重要だ。コンサルタントから経営者になり、一番苦労した点でもあった。

継続討議はとても甘くて、らくちんな逃げ場である。決定には勇気がいり、迷うことも多い。もっと情報を集めて決めよう、とやってしまいたくなる。けれども仮に一週間後に情報が集まっても、結局また迷うのである。そして、待ち構えていた現場がまた動けなくなり、ほかのさまざまな作業に影響を及ぼしてしまう。
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「FACTを集めてから。。。」これとは真逆の考え方ですね。
集めているうちに時間切れになるし、集めているうちにさらに迷って進めなくなる可能性がある。だからこそいま揃っている情報から決断していく勇気が必要なんだと思いました。





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