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2013年8月5日月曜日
【書評039】「ザ・ラストバンカー 西川善文回顧録」西川善文
「ザ・ラストバンカー 西川善文回顧録」西川善文
URL:
http://goo.gl/YCWS6a
概要:
三井住友銀行元頭取、
日本郵政公社2代目などをつとめた西川善文本人が書いた本。
金融業のトップ本人が書いた本は少ないので、読んでみました。
感想:
消費者金融のことを調べれば調べる程、
銀行がこのキャッシング業界の利幅を取りにきていることが顕著に
分かります。そこで銀行側のトップが記している本を読むことで、
銀行側の視点を持ちたいと思いました。
結論本書にはキャッシングに関しての言及はありませんでした。。
かつて銀行というのは、日本でも有数の安定した企業であり、
そのトップを「筆頭取締役」略して「頭取」と呼んでいた。他に「
雅楽の首席奏者」のお公家様と言う意味もあったらしい。
しかし筆者はそんな牧歌的な時代を過ごせず、
常に変化する金融界でもがき苦しんできた実態を記す。
住専問題、銀行合併、郵政民営化など90年~
00年代に起こった事象の責任者であった筆者は住専では中坊公平
と銀行合併時代では、東京三菱やUFJと、
郵政では当時人気だった民主党の鳩山邦夫と。
この辺のやり取りが詳細に記されている。
これらの問題に対応する時、
一番必要なのがスピードと筆者は記す。「
スピードこそ付加価値である」と。1997年6月、
住友銀行の頭取就任時挨拶でも表している。
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「我々の最大の競争相手は、他行でも外国金融機関でもない。
それは、時代の変化だ。そして、
その中で変化し続ける顧客のニーズやウォンツとの競争だと思う。
真正面から取り組み、
それを先取りする形で対応しなければならない。
自らの革新がつねに求められている。
過去の成功体験にこだわっていては対応できない。
新風への期待にまだどこも応えていない。
私はみなさんとガッチリとスクラムを組んで、
真っ先にこの期待に応えて行きたい」(P189)
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(ほぼ)
無風だった銀行という業態でここまで変化への対応を求めるのは、
バブル崩壊、金融ビックバン、リーマンショックなど、
ここ20年は銀行界にとって非常に変化の大きい期間だったんだと
実感できました。
変化を求める速度と、
その業界にいる人の体感する速度はそれぞれ。
銀行だと筆者が書いたスピードが最速なんだと思う。
いまのネット業界は最速で変化する有数の業界なので、
その変化に常に対応するように意識して行動し続けないといけない
なと改めて思いました。
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