2013年8月14日水曜日

【書評040】「仕事をつくる 私の履歴書」安藤忠雄

「仕事をつくる 私の履歴書」安藤忠雄
URL:http://goo.gl/J2kcg9


概要:

学歴も、建築士の資格もなかった著者が独学で学び、建築に携わったことを書いた本。日経新聞「私の履歴書」に加筆したもの。


感想:

安藤忠雄、好きな人も多いと思います。表参道ヒルズの建築家と言えば分かりやすいかも。この人、大学出て無いので、独学で建築士の資格を取り、少しずつ信頼と実績を積み重ね、東大の教授も経験しています。

本書からは、著者の覚悟が読み取れます。「○○になりたい」では無く、「○○になるためにはどうするのか」を常に考え行動し続ける。誰でも出来そうなんだけど、ここまで徹底した行動をとるからこそ結果を残せていると思いました。

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が、何をどう勉強すれば良いのか分からない。大学の建築学科に進んだ友人に頼み、授業で使う専門書を何冊も買った。その教科書を読もう。読んで読んで、読みまくろう。友人たちが4年かけて理解するのを1年で読破しよう。読むだけでは理解出来ないことも分かりながら、朝起きてから寝るまでひたすら本に向かった。それが最良の方法だったのか、今でも分からない。それでも意地と気力で1年間やり遂げた。(P37)


高校で建築を専攻していなければ、まず二級を受けるのに実務経験が7年以上必要だという。その時には絶対に一発で合格しようと覚悟を決めた。しかし、昼間の仕事から帰ると体はもうくたくたである。勉強をしようとしても眠気に襲われる。

そこで昼飯の時間を節約することにした。朝、仕事場に行く前にパンを2つ買っておき、それをかじりながら建築の専門書を読むのである。日曜日には、電車で奈良や京都に出かけて寺社を訪れ、そこで本を広げた。当時に旧建築士の試験は主に木造建築だったから、一挙両得であった。(P57)

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この辺の苦労があったからこそ、全てデザインする建築に対して、関係者(地権者や依頼者)、環境、予算と徹底的に会話する。決して自分の一存で決めつけない。対話の中からデザインを決定して行くと言うプロセスが確立されたのではないかと感じました。こういう進め方参考にしたいです。




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