2013年9月9日月曜日

【書評044】「サムスンの決定はなぜ世界一早いのか」吉田良三

「サムスンの決定はなぜ世界一早いのか」吉田良三
URL:http://goo.gl/DQMs1s


概要:

サムスンの成り立ちと、その成長スピードの仕組みに迫る


感想:

サムスン、昔は日本企業を真似た三流メーカのイメージが強かったですが、いまやスマートフォンならば世界シェアNO1の企業に。韓国ではLGが勢いを無くしていく中唯一世界で闘える企業だと言えます。

その特徴は意思決定のスピード。仕組みは単純でトップダウンでは無い。そして明確な指示を行わないと言うことです。

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サムスンでは2000年以降、トップダウンはやめてボトムアップにしたのです。サムスングループのリーダーである李健照会長は、将来的な方向性だけを示して、そのためにどうするべきかということは全てしたの人間達に任せるようにしています。

李健照会長は、百年先までの方向性を示しています。しかしその一方、三年後の売上をどうするかと言ったことは口にしていません。そうした短期スパンのことや細かいレベルの話しは完全に部下達に委ねているからです。
(P37)
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この逆上位下達方式により、経営者に判断をさせる時間を短縮しています。現場のことは現場が一番よく理解しており、その理解に至るまでの資料や説明を経営陣にすることに要する時間を無駄と考えています。この考え方、なかなか日本だと採用しないんだろうなと思いました。

日本の大手企業における役職は、あくまでも勤めた期間に対する褒美であり、我慢の代償だという考え方はいまでもあります。何年勤めたから部長で、何年勤めたから役員。これが当たり前と考えてる会社が多い。その人の今までの実績に対する報酬であり、これからの期待に対する報酬ではない。よって、日本企業における役員は常にお飾りでしか無いです。そういう意味でサムスンのこの考え方はいいなと感じました。もう一つ。

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組織のトップが細かいことまですべての指示をしていれば、下の人間はただそれを実行するだけになってしまいます。指示待ち人間はダメだという言い方をされますが、そういう人たちだけを責めることはできません。そんな言い方をしている人たちが、細かい指示を出しすぎていることに問題があるのです。

下の人間が「自分で考える」ことが習慣化されて初めて、その能力を伸ばしていくことができるのです。そういう環境をつくり、キキに強い組織にしていくこともリーダーの役割といえるでしょう
(P124)
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確かに。
戦略は抽象的に、戦術は具体的に。戦略はリーダーに、戦術は現場に。こういうことでしょうか。指示を出すのではなくて考えさせる。どうしても口を出したくなりがちですが。。本書を参考にしたいと思います。







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