2013年2月21日木曜日

【書評015】「デジタルネイティブの時代 なぜメールをせずに「つぶやく」のか」木村 忠正

 「デジタルネイティブの時代 なぜメールをせずに「つぶやく」のか」木村 忠正
 URL:http://goo.gl/9jAvj
 概要:生まれた時からPC・携帯がある世代はどのようにコミュニケーションをとるのか、
    を文化人類学社が人類学の手法を使って解析。
 感想:まずはデジタルネイティブを4つに分類。
    ・弟1世代(1982年以前生まれ)は、ポケベル、
ピッチ世代でコンテンツは不十分で
    親指族といわれる絵文字や装飾が重んじられ、パソコンネットでは大学ネット化が
    始まったが、オンラインはオフラインに従属。
    ・弟2世代(1983-87年生まれ)高校時代バケット代を気にしながら携帯メールを使う。
    小学校の「総合的学習」でパソコンを使い出し、大学時代ミクシィを使う。
    ・弟3世代(1988-90年生まれ)は中高でパソコンの「情報」授業が必修化、
    高校でバケット定額制となり、携帯ブログ・リアルが流行し、動画サイトが普及する。
    ミクシィからツイッターへ。
    ・弟4世代(1991年以降生まれ)は小学校でパソコン授業、中学でバケット定額制になり、
    濃密な集団圧力で携帯利用、複数のソーシャルネットサービスを使い分け、オンラインと
    オフラインの区別もあいまいになる。

    そして、3つのSNSを下記のように分類
    「mixi」→「コミュニティ」
     (集団の成員同士が互いに顔見知りになり、情緒的親密さを含んだ長期継続的、
      安定的関係を形成する原理)
    「Facebook」→「ソサエティ」(近代社会、産業社会の進展に伴う空間におけるつながり原理)
    「Twitter」→「コネクション」(高度に個化が進展した主体が他者や資源とのつながりのあり方)

    Facebookがtwitterより利用者が増えない原因を、
    「高度に個化が進展した消費社会では、継続的で安定的関係を期待することが難しくなっているため
    それが、空気を読んだり、相手との距離を気にしたりしなくてはならない電話やメールでなく
    自由に発信できるツイッター利用の拡大へとつながっている」
    と解説する。

    世代の分け方や、SNSの定義については面白い考え方だが、
    その解説それぞれがつながりが無かった。最終的には、デジタルネイティブとはいえ、
    それ以前の世代とコミュニケーション本質は変わらないとのこと。
    デジタルでもリアルでもコミュニケーションで悩みながら関係を探っていると締める。

    だとしたら、この著者の分析は少し足りないのではと思ってしまった。
    もっと端的に書けば、当たり前のことを結論にするなら本書くなと思いました。
    タイトルは惹かれる本だったんだけど。。




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